顧問先様や上場企業様での社内研修で良く耳にする言葉に、「積極的に関わる」「もっと頑張る」「全力を尽くす」という類の言葉があります。
もちろん、積極的に研修に関わる、プロジェクトに関わる、何事も頑張って精一杯やる、全力を尽くすことは良いことですが、このままでは、思ったような成果は絶対に見込めません。
なぜなら、言葉が曖昧だからです。もう一歩踏み込んで申し上げると、「定性的な言葉」であり、「定量的な言葉」でないからです。「定性的」というのは数値にできないこと、「定量的」というのは数値にできることです。
「私は今日の研修に積極的に関わります!」と言っても、それは何回手を挙げることなのか、何回発言することなのか、「積極的に関わる」だけでは周りの人も自分自信もわかりません。
「5回手を挙げること」が積極的に関わることだとする人もいれば、「5回発言すること」が積極的に関わるだとする人もいるでしょう。
「5回手を挙げる」だけなら発言の有無は問われまんから、単に5回手を挙げれば、積極的に関わったことになります。
ところが、「5回発言する」となると最低でも5回手を上げなければなりませんし、5回手を上げて1回しか発言できる機会がなければ、25回手を上げなければ5回発言することはできません。
「積極的に関わる」という「定性的な表現」を「定量的な表現」まで一歩踏み込んで考えると行動が変わり、結果が変わります。だからこそ、
「曖昧な言葉」は「曖昧な行動」となり、「曖昧な結果」しかもたらさない
・・・のです。これは自分自身の行動のみならず、経営者として部下に指示を出す際も同様です。
「曖昧な指示」は「曖昧な行動」となり、「曖昧な結果」しかもたらさない
・・・ということです。
基本的中の基本となるフレームワークのひとつに5W2H(when、where、who、what、why、how、how many)がありますが、さっと言える経営者の方は本当に少ないように見受けられます。さっと言えないということはすぐに考えが及ばないということになり、言葉(指示)が曖昧になるということです。
部下の結果は「行動が曖昧」だからではないでしょうか。部下の行動が曖昧なのは、社長の指示・上司の「指示が曖昧」だからではないでしょうか。一歩踏み込んで考えることで曖昧さをなくすことができれば、行動が変わり、結果が変わってくるのです。
貴社では、「曖昧な言葉」が蔓延していませんか?指示や行動が「曖昧」だからこそ、結果につながらないのではありませんか?