習慣社長の成長戦略今週の心得

社長の成長戦略『今週の心得』第43話:8割の経営者が間違える成長戦略

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売上に直結する成長戦略_新商品開発戦略

「言われてみれば、確かにその通りだと思います…」「成長戦略を、そのような発想で考えたことはなかったです…」とは多くの経営者の方がおっしゃること。事業成長・企業発展を考えた時、成長戦略として「どのような商品・サービスを、どのような市場で売っていくのか?誰に売っていくのか?」、とても悩ましい課題ですが、そのパターンは4つしかありません。

 

そして、およそ7〜8割の経営者・経営幹部の方が、◯◯戦略であるとお答えになりますが、その選択は間違っているのです。下の図を見てください。貴方なら経営者として、何番の戦略を採択されますか? ※解答は下記で解説しています。

 

成長戦略_新商品開発戦略_新市場開拓戦略_多角化戦略

 

1)市場浸透戦略
既存の「商品・サービス」を、既存の「市場・顧客」に対して販売していく戦略。

 

2)新商品開発戦略
新規の「商品・サービス」を、既存の「市場・顧客」に対して販売していく戦略。

 

3)新市場開拓戦略
既存の「商品・サービス」を、新規の「市場・顧客」に対して販売していく戦略。

 

4)多角化戦略
新規の「商品・サービス」を、新規の「市場・顧客」に対して販売していく戦略。

 

多くの経営者・経営幹部の方が、3)新市場開拓戦略を選択しますが、定石として、正解は2)新商品開発戦略です。これに対して、「なぜだ?何を根拠にそんなことを…」とおっしゃる経営者の方がいらっしゃいますが、過去の歴史を見ても、弊社がご支援した事例でも新商品開発戦略であると断言できます。

 

2つの事例で解説してますので、下記の動画でご確認ください。

 

成長戦略_新商品開発戦略の事例

※動画の再生はこちら(成長戦略TV 第12回)

 

上記の動画を補足します。最初の某クリーニング・チェーン店の事例です。お客様にとってかさばる衣類など(コートや毛布など)を クリーニング後にそのまま預かるレンタル クローゼット事業を展開し成功しています。今まで月ごとにバラツキがある売上でしたが、毎月定額で入金される、家賃のような収益の柱ができたことで経営が非常に楽になりました。

 

次の石油販売店の事例です。順調だった業績が直近2〜3年で悪化、従業員数約50名という固定費が重くのしかかり、業績回復が急務という状況でした。地道に新規開拓を…という時間的猶予がない中、地元密着で展開してきたので、既存客との関係性が極めて良好ということを突破口に、既存客にニーズがありそうなウォーターサーバーのレンタル・設置を提案。3割以上の既存客で即決、後に5割を超える既存客が導入し、V字回復に成功しています。

 

これらの事例に共通して言えるのは、既存のお客様に新たな商品・サービスを提供しているのであって、既存の商品・サービスを新たなお客様に販売しているのではないということ。つまり取るべき戦略は3)新市場開拓戦略ではなく、2)新商品開発戦略であるということです。さらに言えることは、2)新商品開発戦略だからと言って、新たな商材・新たなサービスを自社で開発する必要はないということです。

 

このようなビジネスの考え方は江戸時代の商人が良く知っていました。江戸時代、「火事と喧嘩は江戸の花」と言われたほど火事が頻繁に起こっていたようですが、江戸の商人は火事が起こった時、真っ先に顧客台帳を井戸に投げ込んで逃げたそうです。

 

帳簿は丈夫な紙でできていたので、家が崩れ落ちた後に井戸から帳簿を取り出して、また商売を続けることができたというのです。お店がない、商品がない状態でも、顧客リストがあれば商いを続けていくことができますが、立派なお店、素晴らしい商品がいくらあっても、お客様がいなければ商いを続けることはできないのです。

 

先日訪問した200億を超える某一部上場企業が2年以内に400億を達成しようとしている成長戦略も、3)新市場開拓戦略ではなく、2)新商品開発戦略です。自社の強み・本業を柱としながらも、同じお客様の多様なニーズにいかに応えるか… 江戸の商人がやっていたことを、現在のやり方・手法(商品ラインナップを増やす、そのためのM&Aなど)で展開しているのです。

 

中小企業にとって最も優先すべきことは資源を集中し本業を極めること、1)市場浸透戦略ですが、本業を極めた上で、一歩踏み出した事業を拡大するのであれば、既存客をメインに据えたビジネスを先に展開し、さらにもう一歩進んだ事業拡大を図るのであれば、新規客を開拓するというのが定石です。貴社は本業を極める努力をしてますか?成長戦略の手順を間違えていませんか?