習慣社長の成長戦略今週の心得

社長の成長戦略『今週の心得』第31話:価格競争に巻き込まれるか否かは経営者次第!

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価格競争に巻き込まれるか否かは経営者次第!

「価格競争に巻き込まれないためにはどうすれば良いですか?」とは弊社主催の第5期グループコンサルティングを受講された某社長からの質問です。当たり前ですが、商品・サービスを購入するか否かは業種・業界を問わず人が決めています。

 

では、何を基準に購入の可否を決めているのか?万国共通、人はたった2つのことを基準に購入の可否を決めています。それは、「商品・サービスの価値」と「商品・サービスの価格」です。

 

支払った価格以上に価値ある買い物であるかどうかという心理を「顧客の欲求度」とすると、「顧客の欲求度」=「商品・サービスの価値」÷「商品・サービスの価格」と表すことができ、理論的にはこの値が1を超えたときに顧客は「買いたい!」と感じるということになります。では、実際に「顧客の欲求度」の値がどのように変化するのでしょう。

 

分母の値を下げるということは、「商品・サービスの価格」を下げることです。分子の値となる「商品・サービスの価値」を上げることができないと仮定した場合 に、「商品・サービスの価格」を下げることで「顧客の欲求度」を引き上げるのが「価格戦略」です。

 

一方、分子の値を上げるということは、「商品・サービスの価値」を上げることです。分母にあたる「商品・サービスの価格」を下げず、「商品・サービスの価値」を上げることで「顧客の欲求度」を引き上げるのが「価値戦略」です。「価値戦略」は通常「差別化戦略」とも言われますが、価 格を下げても「価格の差別化」になるので、ここではあえて「差別化戦略」とは言わず「価値戦略」と表現します。

 

このように「顧客の欲求度」を引き上げる方法は2つしかないわけですが(価格を下げつつ価値を上げる手法を含む)、経営者である貴方ならどちらの手法を使って「顧客の欲求度」を引き上げますか?また、これまでビジネスを展開してきた中で値上げ、または値下げをしたことがありますか?

 

私は中小企業経営者の方に、「値下げだけは絶対にしないでください!」とお伝えしています。なぜなら、中小企業にとって、価格を下げることほど経営に大きなダメージを与えることはないからです。詳しくは「価格を下げてはいけない3つの理由」として、下記の動画で解説しているので是非確認してください。価格を下げるということが、いかに自らの首を締める行為か、ご理解頂けるはずです。

 

価格を下げてはいけない3つの理由、固定費、変動費

※再生はこちらをクリック。

 

従って、中小企業は値下げではなく、商品・サービスの価値を上げることで勝負しなければなりません。商品・サービスの価格を下げることは、どんなに努力をしても限界がありますが、商品・サービスの価値を上げることに限界はありません。つまり価値は無限に上げられるということです。

 

弊社の顧問先様にも同じことをお伝えし、通常の2〜3倍の価格設定ができるようなやり方をお伝えしています。「顧客の欲求度」は社長の経営手腕ひとつで無限に引き上げることが可能です。

 

ひとつ例をあげましょう。「強気の価格設定」で大手家電量販店に一歩も引かないビジネスを展開しているのが 街の電器屋さん、東京都町田市にある「でんかのヤマグチ」(山口勉社長)です。大手家電量販店進出が続く中で価格競争に巻き込まれ、多くの街の電器屋さんが廃業しています。

 

ヤマグチのある町田市においても半径3キロ圏内に大手家電量販店が4〜5軒進出していますが、ヤマグチは「値下げ」どころか一切「値引き」をせず、大手家電量販店の約2倍の価格で薄型テレビを販売し、薄型テレビの販売台数日本一になっています。なぜそのようなことが可能なのでしょうか?その戦略・手法がまさに「価値戦略」なのです。

 

小さな電器店が大型店に対抗するには大手ができない「御用聞き」に徹して、きめ細かなサービスで「付加価値」を上げるしかありません。ヤマグチは「お客様に呼ばれたら、すぐにトンデ行きます!」という「ヤマグチの4つのモットー」を掲げていますが、ここに共通している思想が徹底した地元密着型の経営です。

 

御用を聞くにはお客様と会わなければなりませんから、同社では電球1個からビデオの録画設定、植木のお手入れ、ドアの修理、留守中の荷物預かりなど、一般的な家電量販店ではまずやらない、やろうとしてもできないことをアフターサービスとして提供し、人間関係をつくっています。「売る前まで一生懸命やるのではなく、売った後こそ一生懸命フォローする!」を実践していいるのです。このような取り組みはビジネスの基本として、しっかり見習いたいところです。

 

しかしながら、ここでお伝えしたいのは「本業以外のことをして、価値を上げましょう」などと申し上げているのではありません。「価格以外で選ばれるための判断基準をしっかり提示しているか」ということです。中小企業は価格競争で勝てないからこそ、競合他社ができない自社だけの価値提供で勝てる施策を見出し、実践し続けること、これが究極の差別化戦略です。

 

差別化戦略の定義は「競合他社には真似できない自社だけの価値提供で、顧客が価値を感じるものを提供し続ける戦略」です。貴社には競合他社と差別化できる要素がありますか?価格以外で選ばれる判断基準がありますか?顧客が価値を感じるものを提供できていますか?