習慣社長の成長戦略今週の心得

社長の成長戦略『今週の心得』第12話:独裁経営と独断経営の違いとは?

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中小企業のワンマン経営における独裁と独断

 

たまに「なぜ、そのように言いたいことを言えるのですか?」「社長に嫌われないですか?」と言われることがあります。同業の“経営コンサルタント”から言われることも少なくありませんが、このように言われるのが、私には不思議で仕方ありません。

 

“経営コンサルタント”は社長のため、社員のために会社を良くする仕事です。であれば、社長、社員、会社が良くなるのであれば、社長や社員の方々にとって、例え厳しいことであっても申し上げなければいけないのが“経営コンサルタント”という仕事です。そして、普通は良いことばかり申し上げて会社が成長するということはありません。

 

“経営コンサルタント”と敢えて強調しているのは、その他多くの「コンサルタント」の方と分けて考えているからです。“経営コンサルタント”は会社全体に影響を及ぼす仕事です。プロジェクトとして直接関わる顧問先様のスタッフの方が数名であっても、数十名の社員様、その社員様のご家族に影響を与えてしまう仕事です。

 

だからこそ、“経営コンサルタント”が顧問料やコンサルティング継続などの私利私欲のために、嫌われたくないために、本来申し上げるべきことを社長に伝えない、言わないなどということはあり得ないことです。

 

私利私欲のために、「それは素晴らしいですね、社長!」などと言いながら、社長に伝えるべきことを伝えない、言わない。そして会社はどんどん悪くなる一方…であれば、それは“経営コンサルタント”でも何でもなく、単なる寄生虫となり、社長のみならず、そこで働く社員の方々にも害をもたらします。「言いたいことが言えないのであれば、“経営コンサルタント”の資格なし」ですし、「言いたいことが言えなくなった時は引退する時」だと思っています。

 

このように経営者は“経営コンサルタント”のアドバイス・助言を元に最終的な経営の判断をされるので、“経営コンサルタント”が伝えるべきことを伝えない、伝えられないなどということはあってはならないのです。“経営コンサルタント”のスタンスが経営を大きく左右してしまいます。そして、経営者のスタンスとして大事なのが「独断」と「独裁」の違いです。この2つ、何が違うのでしょうか?

 

「独裁」は「独りで裁くこと」であり、「独断」は「独りで断わること」です。当然ですが、上場企業などとは異なり中小企業は資本と経営が一体ですから、全責任を社長が取ることになります。専務や常務の意見を聴いて倒産したから、その責任が分担されるなどということは間違ってもないわけです。だからこそ、経営に関する全ての最終決定を独りで裁く「独断」をしなければならないのです。

 

とは言え、経営に関する全てのことを独りで断わる「独断」をしてはならないのです。「断わる」の意味は「前もって事情を伝えて了解を求めること」です。経営に関する最終決定に至るまでを全て独りで考え、独りで決定し、「こう決めたから、こうしてくれ!」というような社長だとしたらどうでしょう?まわりがついてくるでしょうか?ということです。

 

現場の声を聴く、部長や課長の声だけでなく、時には新卒社員の声を聴いても良いと思います。「独断」せず、広く社員の声を聴いた上で、最終的な判断は全責任を負う社長が「独裁」すれば良いのです。これが飛躍・成長する企業の正しいワンマン経営です。

 

これが「独断すれども独裁せず」となるとどうなるでしょう?全てを独りで考え、独りで決定した上で、他の役員や部長などに「責任を持て!」となってしまいます。

 

以前、このようなことがありました。ある経営者の方が「今の営業メンバーのままで目標の数字を達成しなさい。営業部長はしっかり責任を持って数字を上げさせること!」というのです。営業部長の立場をわかりやすく言うと「責任はあるけれど、権限はない」という状態です。このような営業部長を誰が進んでやりたいと思うでしょうか?

 

部長に責任を持たせるのであれば、権限も持たせなければなりません。責任と権限は表裏一体なのです。ですから、数字を上げるという責任に伴って、その数字を達成するためのメンバーに関して権限を持たせなければならないのです。このように「独断」し、権限は社長が持っているにも関わらず、部下にも責任を負わせるような「独裁」であれば、間違いなく人材が流出するでしょう。これが停滞・衰退する企業の悪しきワンマン経営です。

 

貴社は飛躍・成長する正しいワンマン経営でしょうか?それとも停滞・衰退する悪しきワンマン経営でしょうか?