習慣社長の成長戦略今週の心得

社長の成長戦略『今週の心得』第78話:通常の2倍の価格で売る方法

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成長企業は、「価格」でなく、「価値」で選ばれようと工夫する。衰退企業は、「価値」でなく、「価格」で選ばれようと疲弊する。

「安売りは今日からできる。高売りはそうはいかない。10年計画でやろうと思った。」とは、小さくても儲かる店づくりで有名な『でんかのヤマグチ』の山口社長。

 

『でんかのヤマグチ』と言えば、価格を下げずに販売し、日本で1番大型テレビを売るお店として知られています。拙著「儲かる会社88の鉄則」でも触れていますが、中小企業が絶対にやってはいけないこと、それは価格を下げることです。

 

逆を言えば、中小企業こそ高値で売るべきであり、これこそが中小企業が生き残る【唯一の戦略】であるということです。業種・業界・企業規模を問わず、弊社の顧問先様にも同様にお伝えし、通常価格の2〜5倍の価格で売って頂いてます。

 

人が商品やサービスを購入しようとする時、頭の中で2つの要素を天秤にかけて「買うか、買うまいか?」を判断しています。2つの要素というのは「価格」と「価値」です。

 

例えば、100円ショップでも欲しくないものは買わないですし、飯田産業さんのように2,000万相当の住宅であっても飛ぶように売れるものもあります。要は“価格以上の価値があるかどうか?”が、購入するか否か判断の分かれ目になるわけです。

 

『でんかのヤマグチ』は大手量販店の価格の2倍で販売しているわけですが、なぜ、そのようなことが可能なのか?価格以上の価値をどのように付加しているのか?これらの原則をわかりやすい戦略のひとつ、ランチェスター戦略「弱者の5大戦法」を例に解説していきます。

 

その前に、『でんかのヤマグチ』の昔と今の状況として下記の情報を共有しておきます。

【『でんかのヤマグチ』について】
《苦境であった以前の状況》
・1996年から近隣に
大手量販店が相次いで進出。
 当時はその影響で3年連続赤字で2億の借入、あとがない状況。
(現在は大手量販店6店舗に囲まれている)

・大手量販店の価格で売ると赤字になってしまう。
・当時の粗利益は2
5%、社員の給与が払えない。
(家電店の粗利益平均15%のところ、粗利益40%を目標に!)

 

好業績の現在の状況》
・高値販売をしてから21年連続で赤字なし。
・粗利益率は8年目で35%超、現在45.1%。
・2億の借入は7年前に完済。
・月次決算から日次決算へ、利益を毎日把握。

 

1)弱者の5大戦法・局地戦
「局地戦」の概念は「限られたカテゴリーや地域で戦え!」という考え方です。『でんかのヤマグチ』は大手量販店と戦わないために商圏を絞り、顧客の数を1/3まで減らしました。

 

「何をバカな!お客様の数を減らせば売上が減ってしまうではないか!」と考える経営者の方が多いように見受けられますが、それは違います。

 

拙著「儲かる会社88の鉄則」でもお伝えしてますが、「お客様から選ばれるには、お客様を先に選ばなければ選ばれない」のです。「お客様様を先に選ぶ」ということは、自社の強みに価値を感じてくれる顧客を選ぶことであり、それ以外のお客様を切ることです。

 

『でんかのヤマグチ』では顧客の数を減らすために、どんなに長いお付き合いのお客様であっても5年以上お買い上げのないお客様を顧客台帳から消したそうです。

 

山口社長曰く、「売上を上げたかったら顧客を減らせ!顧客の数が1/3になれば、今までの3倍のサービスが提供できる。今のお客様を大切にして満足させろ!」とのこと。握っているモノを手放さなければ、次のモノを握ることはできないということです。

 

2)弱者の5大戦法・一騎討ち戦
「一騎討ち戦」の概念は「競合他社の少ないマーケットや顧客を狙え!」という考え方です。もう少し噛み砕いて申し上げると、中小企業である弱者は大手に勝負を挑むのではなく、戦わずに勝てる領域で生き残れ!ということです。

 

上記の「局地戦」では商圏を絞りましたが、商圏を絞ったからこそ大手量販店と戦わずに済み、価格競争に巻き込まれることなく消耗戦を回避することができました。

 

商圏を絞ることで顧客も絞り、一人のお客様に今まで以上の時間をかけることで、「価格で選ばれない価値」を提供し続けてきました。「価格で選ばれない価値」とは何か?次の「接近戦」で詳しく解説します。

 

3)弱者の5大戦法・接近戦
「接近戦」の概念は「相手(競合他社ではなく顧客)に近づいて顧客の心を掴むような営業をしろ!」という考え方です。この概念を『でんかのヤマグチ』ではどのように実践しているのか?

 

『でんかのヤマグチ』では「ヤマグチはトンデ行きます!」という言葉を標榜していますが(ホームページにも記載があります)、お得意様に呼ばれたらいつでもトンデ行き、“どんなこと”でも対応します。

 

“どんなこと”の一例を挙げると… 「玄関の鍵が壊れたから見て欲しい」「近くの病院に行きたいけど、タクシーがすぐ来ないから送って行って欲しい」「2階にある花壇が重いから1階に降ろして欲しい」「犬の散歩に行って欲しい」「数日の間、家を空けるから自宅に来て泊まって欲しい」など…

 

電気屋がやる仕事か?と思われるかもしれませんが、『でんかのヤマグチ』では「裏サービス」という営業活動があり、本業以外でお客様のお役に立てたことを営業日報の中で報告させ社内で共有しています。

 

このように何でも対応することで、お客様との接触頻度が飛躍的に高まります。顔馴染みになることで親近感・信頼感が醸成されるので、ご自宅にお邪魔することもしばしば。ご自宅に上がると様々な家電製品の種類や年式を見ることができます。

 

すると、買い替え時もわかるので、そのような情報をしっかり把握した上で顧客台帳に記録し、営業活動に活かしています。

 

また「接近戦」を活用した営業活動として、ヤマグチでは年間を通して毎週何かしらのイベントを開催しています。1月の正月祭りにはじまり、カツオ祭り・エゾ鹿祭り・サンマ祭りなど… 私が伺った際は「男爵芋祭り」でした。

 

でんかのヤマグチのイベント

 

店頭で蒸したアツアツの男爵芋をバターや塩辛で食して頂くようになっており、店頭にはテント・店内にはテーブルとイスが設置されていました。おつまみにスタッフさんが手作りで用意したキムチまで…

 

このようなイベントには当然ながら少なからずの予算がかかっており、年間にすると相当のコストになるのですが、そこは販促費としてしっかりかけているとのこと。

 

山口社長曰く、「よっぽど何か買うものがないと、ふらっと電気屋なんかには間違っても行かない。だからこそ、毎週欠かさずイベントを開催することで、地域住民の方々に認知して頂き、何かやっているからヤマグチに行ってみよう!」というようにわざわざ電気屋に行く仕掛けをつくっているとのこと。

 

このような地道な施策で自社が勝てる領域を定め、商圏内のお客様としっかりした人間関係をつくることで、繰り返し買って頂く…

 

中小企業が生き残るには【2つの武器】が不可欠である!と、ことあるごとにお伝えしていますが、1つは“高額商品”、そしてもう1つが“継続商品”です。

 

前段お伝えした「価格を下げない戦略」が言わば“高額商品”になるわけですが、お客様のご自宅に訪問したり、お客様をイベントにお連れして接点を持つことで信頼関係を構築し、繰り返し自社から買って頂くことが“継続商品であると言えるでしょう。

 

貴社の戦略は、中小企業が生き残るための【唯一の戦略】になっていますか?中小企業が生き残るために欠かせない【2つの武器】がありますか?

 

年々市場縮小が加速していく中、これらの戦略・武器なくして、中小企業が生き残っていけるわけがありません。さらに厳しい状況となる、来たるべき来年に備えて是非参考にして頂ければ幸いです。