習慣社長の成長戦略今週の心得

社長の成長戦略『今週の心得』第21話:50年続くビジネスを実践している企業

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新規客の獲得と既存客のリピート、 その労力は天と地ほどの差がある

以前、ご支援させて頂いた東北のA社。少子化の影響をもろに受ける業界の中で好業績を維持しているのですが、非常に上手いやり方でビジネスを展開しています。それは10年どころか50年続くビジネスを考え、それをしっかり実践しているのです。

 

A社の根幹となる事業は自動車教習所です。教習所の客単価はざっくり言えば約30万円、卒業生からの新規のお客様をご紹介頂くということはあれど、基本的にリピートはないビジネスです。(16歳で二輪免許を取得し、18歳で四輪免許というお客様もいますが、このようなケースは少数です)

 

「新規のお客様をいかに獲得していくか?」という課題は全てのビジネスにおける最重要課題と言って間違いないのですが、この教習所を営むA社は、「既存客のリピートにこそ力を入れる」ことでLTV(ライフ・タイム・バリュー)を最大化しているのです。

 

LTVは顧客最大価値と言われ、1人のお客様への価値をいかに最大化するかということであり、言い換えれば、1人のお客様からいかに多くの売上を頂くことで貢献できるかということです。では、実際にA社がどのようなことを実践し、顧客への価値を最大化しているのでしょうか。

 

先ずひとつ目は教習所内での自動車販売です。教習所に何をしに来ているのか?と言えば、当たり前ですが、免許を取得するために来ています。四輪であれば18歳前後のお客様(学生)が、「早く免許を取りたいなぁ」「免許を取ったら何を乗ろうかなぁ」とワクワクしながら来ているわけです。

 

であれば、免許のみならず車を販売することが「顧客価値の最大化」につながるのではないか?と考えたわけです。中古車販売業車が加入している衛星回線の中古車販売システムを導入、教習所の一角に丸テーブルを置いてオークション形式で欲しい車を落札できるようにしました。

 

車に詳しくない教習生が、車に関することを訊きたいと思った時、誰に一番訊きやすいか?… それは両親や友達ではなく、普段、車のことを教えてもらっている教習所の指導員であるということです。

 

次に損害保険の加入です。車を購入した教習生は教習所内の受付カウンターで損害保険などの加入を済ませます。損害保険は1年毎に更新が必要な商品なので、その都度手数料が入ります。

 

3つ目は車検です。購入した車を車検に出す際、A社は教習車を整備する中古車センターの整備工場を持っているので、そこで対応します。

 

4つ目は中古車、もしくは新車の販売です。車検を1〜2回繰り返すと、別の中古車・新車に買い換えるというお客様がいます。更に東北という土地柄、農業を営む教習生の親御さんも少なくありません。ということで、中古車センターではトラクターの販売もしています。

 

5つ目は生命保険の販売です。A社のビジネスは自動車関連に留まりません。教習所の卒業生が数年後には結婚します。自動車では損害保険でしたが、結婚となると生命保険が必要になります。それに対応するよう、ファイナンシャルプランナーを数名雇用し、複数車の保険会社と契約し、教習所の卒業生であるお客様に複数社の生命保険会社の中からベストな保険を提案します。

 

またお客様がご結婚された数年後、お子さんが生まれますから次は学資保険です。当然、生命保険はライフステージの変化に応じて見直しが必要になりますから、その都度、保険を見直すというプランニングの仕事が発生します。

 

このように見てくると、18歳前後でA社とファーストコンタクトを持ったお客様は60歳、もしくはそれ以上のお付き合いをすることになるのです。自動車免許の取得にはじまり、車の購入、損害保険の加入、2年毎の車検に車の買い替え、生命保険の加入とその見直し…ということで優に50年は続くビジネスです。

 

自動車免許の取得だけを売っていると30万円前後のビジネスとしてしか考えられませんが、A社のようにLTVを最大化しようと既存客の価値最大化に努めると、1人のお客様からの売上は何倍になるでしょうか?少なくみても3〜5倍、大げさに言えば10倍ぐらいにはなるのではないでしょうか。

 

新規のお客様ももちろん大切ですが、新規のお客様から売上を上げるには、既存のお客様から売上を上げる労力の3〜5倍の労力がかかると言われています。「売上=客数×客単価×購買頻度」である以上、客数(既存客のリピート)と購買頻度(1回でも多く買って頂く仕掛け)をいかに高めるかが市場縮小の時代に合った売上アップの考え方です。新規のお客様を獲得する施策以上に既存のお客様のLTVを最大化する施策が貴社にはありますか?